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炭酸ガスによる下腿潰瘍の治療例

前回のコラム「炭酸ガスによる創傷治療」は、具体的な内容のない、歯切れの悪いものでした。今回は公にされたデータがありますので、ご紹介させていただきます。

2005年6月25日にパシフィコ横浜で開催された第50回日本透析医学会学術集会・総会おいて、東京都板橋区・医新クリニックの中村裕司先生のグループが「閉塞性動脈硬化症による下腿潰瘍に対する炭酸ガス経皮吸収剤の使用経験」と題して、炭酸ガスパックに関するポスター発表をなさいました。その抄録を以下に引用させていただきました。また、症例写真の一部は「知的資産経営報告書」の中でも引用させていただいています。
炭酸ガスパックが下腿潰瘍に使用された結果、治療に「有効」であり、「使用方法が簡便」であると報告されています。個々の症例に関しては、発表されたポスターの写真でご覧いただけます。

【学会写真】

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内容が専門的で、一般の方には特に医学用語などが分かりづらい部分があるかもしれませんが、各症例について簡単にご紹介いたします。

症例1

(元の説明文の抜粋)67歳女性糖尿病性腎症の血液透析患者です。転院前には他医で切断するしかないといわれていました。私も最初は、そのように考えていました。
転院後、不良肉芽をデブリードマンし、カデックス、コムフィールなど使用し、ある程度までは潰瘍縮小化したのですが、その後潰瘍縮小化速度が進まなくなったため炭酸ガスパックを使用しました。徐々に潰瘍底から肉芽形成し潰瘍が浅くなってきています。

【症例写真<治療前>】

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【症例写真<治療後>】

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<解説>

この患者さんは、骨が剥き出しになり、壊死するというかなりの重症でした。傷口に正常でない肉の盛り上がりともいえる不良肉芽があると、これを外科的に切除することがあります。その後、正常な治り方で肉芽が形成され、傷口が埋まり、それから上皮化が起こり、傷口がふさがりますが、この患者さんは糖尿病のために傷の治りが悪くなっています。カデックス、コムフィールという創傷被覆材で傷を閉鎖し、細胞の乾燥壊死を防ぐ治療(湿潤療法)が行われましたが、自力での組織再生は完了できなかったようです。

そこで炭酸ガスの組織再生促進作用に期待がかけられました。経過写真で分かるように、時間はかかったものの、腐った骨が炭酸ガスパックできれいに治りました。
これまでに、未公表ながら多数の難治性潰瘍や創傷の炭酸ガスパックによる治癒症例を見てきましたが、本症例ではこれまで以上の劇的な効果が得られたと思われます。研究発表会でスライド発表したときにも、かなりのインパクトを参加者に与えた症例です。

症例2

(元の説明文の抜粋)糖尿病性腎症で血液透析導入となった75歳女性患者ですが、糖尿病管理がかなり困難な状態でした。左足先に皮膚潰瘍形成したため、最初はカデックス、コムフィール使用。炭酸ガスパック*に切り替えて完全に上皮化しました。

【症例写真<治療前1>】

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【症例写真<治療前2>】

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【症例写真<治療中>】

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【症例写真<治療後>】

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<解説>

この患者さんの場合は、介護の問題が大きく、血糖値管理がうまくできないため、治癒力が低下していました。ちなみに、人工的に動物を糖尿病にすると、やはり傷の治りが遅くなり、難治性創傷モデルとして実験に使われています。人工炭酸泉もある程度の創傷治癒促進効果があることが知られていますが、足浴さえ困難な患者さんの場合は、部位を選ばずに塗ることのできる炭酸ガスパックは、治療が簡単にできることから重宝されるようです。
その他にも、上記学会では報告されていませんが、中村先生のグループでは、最先端医療まで受けながら、潰瘍が改善しなかった患者さんに炭酸ガスパックを使用して成果を上げておられます。
なお、当社では炭酸ガスの効果に関して、基礎研究を大学のご指導ご協力をいただきながら進めております。論文が掲載され次第、このコラムでお知らせいたしますのでご期待ください。

    
※ 本コラムの内容は特定の商品の効果効能・安全性を保証するものではありません。

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